
午前9時 ビニールハウスに集合。つくば自然農園には全長50mのビニールハウスが5棟あり、雨降りの日でも活動が可能です。午前の作業は、苗を育てるための種まき。農用語で育苗(いくびょう)です。
栽培にあたって、畝に種を蒔く、または苗を植える、2通りのやり方があります。
野菜にとって、種が芽生え、双葉が出て、本葉が数枚そろうまでは、いわば幼児期。野菜の種類によっては、幼児期は気象や害虫の影響を受けにくいビニールハウスで育て、苗の状態になってから畝に植える方が適しているものがあります。

まずは、苗床(なえどこ)作りから。当園こだわりの配合の土をタライに入れ、みんなで、まぜまぜ、まぜまぜ。水を加えて、まぜまぜ、まぜまぜ。この時、子どもたちが大活躍! あっという間に苗の土が出来上がりました。
トレイにポットを並べ、まずは竹パウダーを底に一振りします。実は竹パウダーは、乳酸菌や土着菌の宝庫。土の中で発酵して、根っこの張りをよくする優れものなのです。
竹パウダーの上に苗の土を詰めて、苗床が完成しました。

午前10時45分 苗床への種まき開始。この日植えたのは、ズッキーニ、白なす、いんげん、ミニトマト、スイカの5種類。野菜の種類によって、ポットの大きさが異なります。
スタッフが服のポケットから、小袋を取り出しました。小袋の中の濡れたティッシュペーパーを開くと、そこには白なすの種が。よく見ると、種からちょっとだけ芽が出ています! 2日間ポケットに入りっぱなしだった種が、人の体温で温まり、発芽したのです。“ポケット育苗”といい、発芽しにくい種類も、この方法なら芽を出しやすいとされています。

午後1時30分 お昼休憩の後は、スナップえんどうのビニールハウスに移動して草刈り作業。草刈りの最中、どうしてもスナップえんどうの茎が折れてしまうことが。園主の坂本に「茎と葉っぱ、折れたやつは食べてみて」と促され、口にした会員さん。「茎と葉っぱも、スナップえんどうの房の味がする!」と、驚いていらっしゃいました。
午後2時30分 お持ち帰り用のほうれん草を収穫。当園のほうれん草はえぐ味がほとんど無いのが特徴で、採れたては生のままで食べられます。その場でパクパクほうれん草をほおばるお子さんの姿を目にして、「これが見たくて農家になった…」と呟いた坂本でした。