感動もの!とことんこだわった自然栽培の野菜!「つくば自然農園」坂本一信さんが語る日本の食の現状、無肥料、無農薬、自然農法とは!
日本農業の現状
農業の工業化により、有機栽培の割合は約0.2% に落ちています。その結果
農薬使用量は世界トップレベル、残留農薬に対する規制も極めて緩い。
日本人だけが知らない!日本の野菜は海で「汚染物」扱いされている(木村秋則、高野誠鮮、現代ビジネス、講談社より)
“ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」”
硝酸態窒素に関しても、ヨーロッパ等では厳しい規制があるが、日本では野放しです。
昔に比べて野菜の栄養価が著しく低下
1951年と2000年を比べてください。例えば、ほうれん草のビタミンAは、1/10以下に、トマトのビタミンCに至っては1/20になっています。年々、野菜の栄養が劣化し続けています。
脳に対する農薬の影響は?
「農薬の使用率が高い国ほど発達障害が多い」…日本の野菜は本当に安全か?(文春オンライン, 3/12)より
・2012年、環境脳神経科学情報センターの黒田純子氏らが、試験管の中とはいえ、ネオニコチノイドがラットの小脳の神経細胞を攪乱することを発見
・黒田らは、農薬の使用率と、広汎性発達障害の有病率が一致することに注目。つまり、農薬の使用率が多い国ほど自閉症など発達障害が多い。両者の因果関係は証明されていなかったが、相関関係で見事に一致。
・マウスにごく少量のネオニコチノイドを食べさせ、壁のない通路と壁のある通路を十字に組んだ迷路に置いた。通常、マウスは好奇心が強いから、壁のない通路にも出ていくのだが、このマウスは不安で出ていかず、自閉症のような行動。また別の種類のネオニコチノイドを食べさせると、動作が激しくなって落ち着きがなくなる(ADHD)。
・ネオニコチノイドと疾病との関わりが明らかになるにつれ、EUをはじめ、各国がその使用を制限。この流れは加速する一方なのに、日本は、残留基準値を上げて使用を増やすという逆方向に!
食を変えれば子どもは変わる
・長野県旧真田町(現 上田市)の大塚貢氏の取り組み
「米飯は週1回のみで、主食は揚げパンやソフト麺、ハンバーガーなどが大半で、おかずは肉がほとんどでした。それを、週5日米飯にして、米や野菜・大豆等は無農薬や低農薬の地元産、肉や魚は国内産の生産地が明確なものに切り換えるなど徹底しました。」
「1年でまず、学校のタバコの吸い殻が消え、2年目後半からは非行や犯罪が消えました。不登校も50人から2人にまでに減少。」
「重度のアトピーやアレルギー、中性脂肪・コレステロールの高い子どももいなくなりました。旧真田町では、その後10年以上非行や犯罪がゼロ(上田警察署)、全国学力テストでは、全国平均よりかなり高い成績を上げています。」
・福井県の小浜市は、給食を輸入食材から地元産に切り替え、若狭湾でとれる魚や地場産の野菜、低農薬の米飯にしました。その結果、全国学力テストでは、なんと小・中学校ともに市の平均点が全国1位に。
・上智大学の福島章教授がメキシコで農薬多用地域と農薬不使用地域の子どもの脳の状況を調べた調査です。子どもたちに人間の絵を描かせたところ、農薬不使用地域の子どもたちは上手に絵が描けるのに、多用地域の子どもたちは人間と認識できないような絵ばかり。
肥料の影響
慣行農法で使う肥料は窒素、リン酸、カリが中心で、硝酸態窒素が植物に入り、濃い緑でエグ味がある野菜になる。この硝酸態窒素は人体には毒。このような野菜は、腐敗して溶けるのが特徴。
また窒素の流亡が河川、地下水、さらには海洋の深刻な汚染を引き起こす。
植物に吸収されなかった無機態窒素は土壌を腐敗傾向にして、微生物の生態系が形成されない。また化学的な結晶が硬盤層を形成する。
こだわり
・ 農薬・肥料不使用で子供が食べても安心
農薬を一切使わず、土に住む微生物の力を借りて野菜を育てる「炭素循環農法」を取り入れています。一般の無農薬・有機栽培よりも更にこだわり、化学肥料のみならず、動物性肥料も使わないことで、お子さまが安心して食べられる栄養価に富んだ美味しい野菜を作っています。また、体に有害といわれる「硝酸態窒素」の野菜中の含有率が極めて低いことも当農園の野菜の特徴です。
・ 野菜本来のうまみがぎっしり
農薬を使わず、地中に広く根が張って大地のミネラル等をしっかり吸収して力強く育った野菜は、エグ味のない野菜本来の栄養とうまみがぎっしり詰まった本物の味がします。今まで野菜が苦手だった子供のお母さま方から「子供が喜んで食べてくれた!」と好評を頂いております。たくさんの子どもたちが野菜を好きになる手助けができればと考えています。
・ 炭素循環農法
ブラジル在住の農家・林幸美さんが現代農業に執筆した記事をきっかけに広まった。一般的な栽培では主な肥料はチッソだが、炭素循環農法では圃場の微生物を生かすためにチッソより炭素の施用が必要だとする。C/N比(炭素量とチッソ量の比率)の高いきのこ廃菌床やバーク堆肥、緑肥、雑草などを浅くすき込むだけで、その他の肥料はいっさいなし、それだけで虫も病気も寄らない極めて健康な作物が育つという。
※出典:ルーラル電子図書館(http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy197.html)
慣行農法:肥料を野菜に吸収させて育てる
炭素循環農法:地中にいる糸状菌(きのこ菌)にエサを与えることで、それらの微生物がバクテリアと連携して野菜を育てる
⇨きのこ廃菌床、剪定チップ、竹チップ、もみ殻、落ち葉、雑草等のC/N比が40以上の炭素資材をごく浅く土と混ぜる
炭素資材を混ぜるのは
・ 糸状菌は、空気が届く深さで呼吸をしており、炭素源(腐りにくいもの)をエサにして増える。だから水の多い所では溺れて死んでしまう。
→自然の雨水で十分。植付けや発芽の時以外は水やりをしない
・ 糸状菌が増えると・・・
乳酸菌、納豆菌、放線菌、大腸菌などの真正細菌(バクテリア=嫌気菌)が増える。
→さらにメタン菌、好熱菌、好塩菌等の古細菌が増える。(メタン、水素、硫化水素、アンモニア等の原初の地球環境中に充満していたものを利用するのが古細菌群)
・ 以上のように土壌中の微生物が豊かに整う。菌の食物連鎖が起こり、その生態系の中では、有機体窒素(中心は炭素)が循環していく。その結果、上の方から発酵状態の土ができ、フカフカになっていく。
・ 微生物が豊かになると・・・
微生物の中にエンドファイトがいて、アミノ酸を根から野菜に供給してくれる。また、免疫機能を供給して病気や害虫から守ってくれる。
→つまり、野菜を健康に育ててくれる。
(参考)エンドファイトとは
植物の体内に入り込み、共生的に生活している微生物(真菌や細菌)のことで、植物の耐虫性や成長に有用な物質を作る。植物の成長を早めたり、病気や虫から植物を守る効果があり、農薬や肥料に代わるものとして期待されている。
(参考)ミミズのいる畑は良い畑?
ミミズのエサは、土壌中の腐敗した有機物。つまり、微生物が分解しきれず腐敗した有機物をミミズが食べて浄化してくれている訳で、畑に腐敗が残っている状態である証拠。
化学肥料、堆肥等を一切使用しない
・理由その1:
慣行農法で使う肥料は窒素、リン酸、カリが中心で、無機態窒素(硝酸態窒素)が植物に入り、濃い緑でエグ味がある野菜になる。この硝酸態窒素は人体には毒。また窒素の流れ亡が河川、地下水の汚染を引き起こす。
・理由その2:
植物に吸収されなかった無機態窒素は土壌を腐敗傾向にして、金の生態系が形成されない。また化学的な結晶が硬盤層を形成する。
※ 有機農法の堆肥も肥料と同じ。有機物は分解されて無機化するが、人が窒素の無機化をコントロールできないので、窒素過多となり、土壌が腐敗に傾く。
炭素循環農法の野菜が虫に食べられない訳
~ 予備知識 ~
・ 虫の腸内のpHは7以上(弱アルカリ性):腐敗しやすいものしか食べられない。
・ 人の腸内のpHは7以下(弱酸性):元来、発酵しやすいものしか食べられない
・ つまり人が食べるものをつくるためには、土壌も野菜も発酵傾向にしておく必要がある
~ 炭素循環農法の場合 ~
植物にではなく、土壌微生物にエサとしてC/N比の高い有機物を酸素が供給できる範囲で与える。その結果、糸状菌類の体内にある有機態窒素は全て他の微生物のエサとなり、無機化される窒素は殆どなくなる(ある菌はアミノ酸を作る)。つまり、土壌の腐敗は殆どなくなる。
土が発酵した状態になり、野菜はアミノ酸を吸収して発酵傾向で成長し、その結果、発酵傾向の野菜がエンドファイト効果と相まって虫に食べられないようになる。
炭素循環法
微生物のエサやり(その1:炭素資材の投入)
微生物のエサやり(その2:緑肥の利用)
炭素資材についた菌